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タイ・ベトナム経済ミッションに参加して

タイ・ベトナム経済ミッションに参加して

鹿児島中央青果株式会社 常務取締役 中馬 正裕

鹿児島中央青果株式会社 常務取締役 中馬 正裕タイは、東南アジアにあって、政治・経済情勢が安定している国であり、また、フルーツを始め熱帯特有のバラエテイに富んだ食品や、伝統的なタイシルク、雑貨など、特異な産品を数多く有している。

また、ベトナムは経済改革・開放政策を進めており、既に日本はベトナムにとって最大の貿易相手国となっている。また日本国内では、ベトナムの食品・雑貨、衣料のブームが起こるなど、こんご益々の経済交流の発展が期待されている。
このような状況の中、県貿易協会からタイ、ベトナム経済ミッションの募集があり参加した。
当社は、鹿児島市中央卸売市場で青果の卸売り業を営んでいる.。近年生鮮青果物の輸入も年々増加傾向にある。

経路は、鹿児島―ソウルーバンコクーホーチミンーソウルー鹿児島であり、鹿児島発着のためタイ・ベトナムが非常に身近に感じられた。

21日~22日 バンコクでは丁度APEC首脳会議開催中で、町並みは割りと整理され犯罪・テロ対策がなされていた。
タイでの楽しみとしていた本場での果実の味であったが、ホテルで出されていたものは総じて完熟度が低く期待はずれの感があった。露店で買い求めたランブータン・バナナ・青ぎりみかんに似たタンカン味の柑橘は旨いと感じた。
商談会はバンコク国際貿易展示場で行われた。商談会に先立ちジェトロバンコクの巴氏よりタイの経済事情について説明がなされた。
タクシン政権による国内需要振興策 その中でも農家所得の向上に向けて農家の借金3年間凍結、ピープルズバンクによる無担保による融資、等々である。これらの策により倹約から消費への経済動向となり、車・携帯電話は好調とのこと。
尚今回の商談会は初めてのことであり具体的な商談はできなかったが同行した他業者の動き、又商談の進め方について実地勉強となった。その後展示場で開催されていた国際ギフトハウスウエア・市中繁華街にあるバンナーブ市場・翌日再度商談会とバンコク伊勢丹等の市場視察をおこなった。恥ずかしながら日本の伊勢丹は見たこともないため市場視察とはおこがましい気がする。陳列・品数も豊富で洗練された印象を持った。
23日~24日 ホーチミン市ではアオザイを身にまとった多数の女性の往来を想像していたが、町中バイクの洪水でその多さには感動的でもあった
省エネを実行していると思えば、地球に優しい・環境に優しい交通手段であり、この部分では省エネ先進国であろう。

商談会は宿泊ホテルで行われた。商談会に先立ち商工労働部次長海外投資アドバイザーの市川氏より説明がなされた。

今、ベトナムへの投資が積極的に行われている。その理由として ①中国重視の投資だけでは不安である。人民元の価値が実態より安く設定されていることから来る不安。長い目で見ると政治的・経済的・社会的にリスクがあること。取引に問題が隠されている中で常に金は要求される。これらにより中国プラスワンとしてベトナムが上がっている。 ②日本ではこれ以上のコストダウンはできない。主にこの2つの理由によりベトナムへの進出が盛んになっているとのことであった。その後個別商談会がなされたが生鮮青果物については安全・安心・輸送等を確認し、慎重にやる必要を感じた。

その後市場視察を行ったが、ドンコイ通りにあるベンタイン市場は日常品で溢れんばかりの活気を呈していた。
ドンコイ通りにあるベンタイン市場次に国営の工業団地に、日本からの進出企業としてあのたこ焼きで名を売っている八ちゃん堂があり、工場見学をした。ここでは日本の種・栽培技術でナスを栽培し、それを焼きなすとして急速冷凍し、日本向けに輸出している。
一日3~4トンの処理とのこと。青果物を扱っている身としては考えさせられた。              

今は雨季の終わりの気象とのこと。突然の雨に打たれても市場もバイクも何事もなく動いている。そういえばホテルや街路に大きな鉢物の木がよく目に付いた、水やりは大変だろうと思ったのは余計な心配、省エネ雨が降ってくる
日常業務をはなれ、異業種の方々との海外での商談視察は私にとって見るもの聞くことが新鮮であり、又職業柄 日本の食料供給熱量自給率40%の中でアジアとのかかわりをどうしていくの改めて考える機会と成った。
機会を作って再度行きたいものである。

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