当協会の理事で,弓場貿易株式会社社長の弓場秋信氏による,すぐに役立つワンポイント貿易アドバイス!
その2~CIF(保険料・運賃込み)~
保険の必要性は理解しながらも少しでも経費を削減したいとの思いとの戦いです。
あるとき船会社より電話で「御社の貨物も積んでいる台湾からの船が、荷崩れを起こし傾いてきたので、危険を回避するために一部のコンテナを海上投棄し、そのコンテナ貨物の損害分は、船内に残った荷主で負担してもらいます。もちろん共同海損として保険が適用されます」との連絡がありました。私は、近い国でありまた通常貨物であったために海上保険を掛けていませんでした。結果として保険料相当額の十数倍を払う事となりました。
インドネシアより冷凍かつおを専用船で輸入した時には、鹿児島で荷揚げしてみると通常一本一本が離れるのに、魚同士が結合し傷んでいる魚もある。保険会社に保険の請求をすると、品質上のことで事故ではないので払えないとの事。そこで現地に積み込み時の状況・魚体温度を聞くと問題が無い。それでは航海上に発電機等のトラブルによる冷凍庫の温度上昇が原因ではと考え、船会社に冷凍庫内の温度記録の提出を求めると、それは出来ないと言っていたが、最終的に事故の発生を認め保険を受け取る事が出来ました。
偶発的事故の発生による損害から守るための保険料は、コスト計算の中に必ず含める習慣を付けるようにしましょう。
(貿易ニュース鹿児島2002.10月号掲載)