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その24

当協会の理事で,弓場貿易株式会社社長の弓場秋信氏による,すぐに役立つワンポイント貿易アドバイス!

その24

弓場秋信氏鹿児島県貿易協会では県からの委託事業として毎年海外商談会を開催している。今年度の実施は10月25-30日、タイとマレーシアでの開催。以前このコーナーで商談会参加のメリットと成果を上げる為の取り組み方について述べたので、今回は訪問国タイの魅力について書いてみたい。
タイの一番の魅力は、農水産物から工業製品まで欲しい商品がほぼ全て見つかる事である。南北に伸びた日本の1.36倍の国土は、多様な原料を豊富に生む供給基地であり、隣国カンボジア、ラオス、ミヤンマー、マレーシアからも不足気味や異なる原料が安い価格で輸入される。この豊富な原料と良質な労働力、そしていち早く導入された外国資本・技術との相乗効果で、原料から製品までの一貫生産を可能にした。
現在は事務用機器、音響映像機器、半導体電子部品、肉類、科学光学機器、家具、衣類・同付属品、農水加工品、穀類などあらゆる分野の商品が世界各国に輸出されている。ただ単に多様な商品を供給するだけでなく品質でも信頼を勝ち取っている。
バンコック郊外にある食品加工工場を訪ねるとその規模にまず圧倒される。事務所で白衣、帽子そして長靴に着替え、工場入り口でのエアーシャワーと消毒液で雑菌を除去して建物内に入る。最新の設備と大勢の作業者がロボットの如く働いている姿は圧巻である。同様な製品を製造する地元企業と、衛生管理・機械設備・品質管理を比較すると劣るどころか勝っているのではとさえ思える。それは工場建設時から先進国への輸出を目的とした設計設備であり、国際標準を満たす品質管理体制を敷いているからである。価格面で中国やベトナムに比し高い部分はあるが、仕様書通りの商品が届いたり品質面でのトラブルが生じた際の誠意ある対応など、トータルで判断するとタイからの輸入は十分に魅力がある。
通貨危機を克服し今や経済成長率は年率5-6%、一人当たりのGDPも2000米ドルを超え、国民の購買力は確実に高まっている。また日系企業の進出・再投資も盛んで日系企業にとってタイ国は東南アジアの中心であり、世界戦略の重要拠点である。購買力が増したタイ国民や企業向け商材と共に東南アジアで最も多くの日本人が住む現在、香港やシンガポールより市場が大きいタイに鹿児島食材の輸出に力を入れる時では。
この機会にビジネスチャンスがいたる所に転がっている魅力一杯の国タイを訪問し黄金に出会いませんか。
(貿易ニュース鹿児島2004.9月号掲載)

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