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その3~品質~

当協会の理事で,弓場貿易株式会社社長の弓場秋信氏による,すぐに役立つワンポイント貿易アドバイス!

その3~品質~

弓場秋信氏輸入貿易を直接行ないたいと思いつつも躊躇する主な要因は、一回の購入量の多さ・品質への不安、そして金融です。そこで今回は品質について述べたいと思います。
もしも事前に取り寄せた見本と輸入現品が同一であるならば、多くの人が貿易を手がけると思います。しかし実際には、現品の品質が見本と違い損失を被る事が多々あります。国内取引においても程度の差はあれ同様の問題が起こる事があるが、代金の支払いが品質をチェックした後であるために、買い手が損をする事は希有です。
それでは実質前払いで、クレーム処理が思うようにいかない貿易で、見本と同一の商品を入手し初期の利益を得るためには、どのような事に注意し何をチェックすべきかを以下に述べます。

1.取引先のビジネスの姿勢及び実績を見る。

欲しい商品が有りそうな国から取引先数社をピックアップしたら、通信手段を使ってアプローチしその返事を待つ。そして返事が早く、質問に対して的確に対応し、過去日本と取引実績の有る会社を選択する。

2.原料や製造工程のチェック。

見本の品質が良くても、原料の品質にバラツキがある場合、また製造工程に不備があれば均一な商品はできない。製造現場に出かけていけない場合は、原料の品質基準と詳細な製造工程を入手してチェックする。

3.商品の仕様を正確に文字で表示する。

輸入者が必要とする商品の仕様を文字や数値で表示し誤解の無いようにする。また逆見本を送るなりして理解度を上げる。

4.節度有る価格交渉。

商品の日本における市場について説明し、相手にベストプライスの提示を求め、その価格が受け入れられる数値であれば、それ以上の値引きを求めない。無理な値引きは原料の品質低下や製造工程の簡略化に繋がる。
(貿易ニュース鹿児島2002.11月号掲載)

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