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食料品

鹿児島中央青果㈱

会員者情報

企業名 鹿児島中央青果株式会社
所在地 鹿児島市東開町11-1
電話 099-267-3311
名前 代表取締役社長 坂元 碩範 氏

インタビュー(貿易ニュース鹿児島2003,11月号掲載)

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 鹿児島中央青果株式会社は昭和10年10月に設立された。現在,鹿児島市中央卸売市場にある本社の他に鹿屋支店,沖縄営業所,食品加工工場を持つ。主に青果物や青果物加工品の受託並びに売買,青果物を主要原料とする食料品の製造販売,鳥卵,肉類,農産物及びその加工品の販売や貯蔵などを行っている。
 鹿児島中央卸売市場は全国で7番目,九州では最初に開設された市場で,一日平均で野菜が523㌧,金額にして7,424万円,果物が136㌧,3,412万円の取引があるという。鹿児島中央青果の業務の比重は野菜が66%,果実が32%を占めており,売り上げは全国の青果卸売会社協会に所属する100社中,35位である。市場は連休後は大変混雑する。生鮮食料品を扱っているため,中央卸売市場ではなるべく連休を作らないようにしており,日曜と祝祭日のほか4週6休制で隔週の水曜が定休日となっている。

 『市場には産地から多種多様の品目の野菜・果物を「集荷」する機能。集荷した物を短時間で「分化」する機能。評価して誰もが納得する価格を決める「価格形成」の機能。原則即日払いの「代金決済」機能。価格をFAXや電話などで生産者に情報と共に配信する「情報提供」機能の5つの機能がある。毎日の食卓に欠かせない新鮮な野菜果物を,需給のバランスによって適正な価格を決定し,安定した数量を供給することで生産者と消費者の橋渡しをするのが中央市場の使命だと考える。しかし,近年,大型スーパーや加工業者の需要が大きく,セリが形骸化してきている。以前は委託集荷セリ販売であったが,法律の改正などに伴い,近頃はスーパーなどの大型店による決まった数量の注文を受けてからの相対取引が増えてきた。小売店がどんどん減ってきており,スーパーの要望に応えざるを得なくなってきているのが現状だ。流通形態も変わってきている。
 市場はセリ値に手数料を上乗せしているのではなくて,市場は『農家の販売代理人』であるため,セリ値の7~8.5%を販売手数料として出荷者や生産者からいただいている。
基本的に市場には誰でも品物を持ち込める。中央卸売市場の14年次の野菜の取扱量は多い順にキャベツ,ダイコン,白菜,玉葱,人参となっている。全体の48%が県内産である。県外から入ってくる野菜には北海道のダイコンや佐賀県や北海道の玉葱がある。消費が一番多いのも玉葱で,輸入玉葱の量も今年は1.7倍に増えている。レタスも8割が長野(夏)や長崎(冬)から入る。
 
 海外からの野菜の入荷は,関東や関西の輸入商社を通して入ってくる中国産ブロッコリーや生椎茸,白ネギ,アメリカ産玉葱やカボチャ,ブロッコリー,人参,ごぼう,生姜などがある。
 14年次の果物の取扱は多い順に,みかん,リンゴ,バナナ,スイカ,柿となっている。イチゴ,ぶどう,なし,柿など福岡から入るものが多い。他には青森,長野からのリンゴもたくさん入荷される。県内産の果物は全体の32%を占め,出水のハウスみかん,川辺のアンデスメロン,イチゴ,鹿児島ブランドの曽於メロンや出水の紅甘夏などがある。
 輸入果物については1位がフィリピン産バナナ,2位が台湾産バナナ,3位がアメリカ,チリ,南アフリカ,アルゼンチンからのレモン,4位がフィリピンやハワイからのパイナップル,5位がアメリカ,チリからのオレンジ,6位キウイ,7位グレープフルーツとなっている。以前はレモン・オレンジ・グレープフルーツはシトラス3品といって,とても人気のある商品だったが,最近は落ち込んできている。

 青果物の商圏は県内だが,野菜は取扱の60%が県外へ運ばれている。果物はほとんど当地の消費である。
 今年は雨が多く,夏が暑かったため農作物にも影響が出ている。
 ところで、近年,食生活の変化に伴い,食の安全・安心がうたわれるようになってきた。鹿児島県でも、食文化や地域産物を見直そうというプロジェクト「鹿児島の“食”交流推進機構」を一昨年立ち上げた。当社もそのメンバーになっている。「かごしまの食交流シンポジウム」にはパネリストとしても参加した。これからも、鹿児島の温泉、自然、地質などその特性を活かした産物を作っていかなければならない。鹿児島野菜を全国に発信するには,産学官共同研究会を設置して、西洋野菜のトレビスや冬瓜,かぼちゃ,スイートコーン,さつまいもなど農家への徹底した生産指導で,農作物のレベルアップを図っていきたいと思っている。鹿児島でしか出来ないような優れた生産物を,よそで立派に勝負できるような産品をこれからも取扱っていきたいと思う。』

小正醸造㈱

会員者情報

企業名 小正醸造株式会社 
所在地 鹿児島市卸本町7-5
電話 099-260-2970
名前 しあわせ創造部 部長 古河 潔 氏

インタビュー(貿易ニュース鹿児島2004,3月号掲載)

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今回は、第10回香港国際食品・飲料展(HOFEX2004)に鹿児島から出展頂いた小正醸造株式会社にお邪魔し、しあわせ創造部長の古河潔氏にお話をお伺いした。
 香港では、会場に貼りだしてあるポスターを見てお客に「これはおまえか」とよく聞かれていたようである。いも焼酎「小鶴くろ」のイメージキャラクターをお願いしているマラソンの小出監督の笑顔がアップで写っているあのポスターである。
 ところで、古河氏の肩書きは、「しあわせ創造部長」である。小正醸造では、焼酎の売上げ額のことを「売上金額」と言わず、「しあわせ金額」と言っている。売上げは、焼酎が美味しいと思ってもらえるから伸びるわけで、美味しいものを口にすると幸せな気持ちになれる。また売上げが伸びると生産者も潤う。生産者も幸せになる。生産者も、製造業者も、消費者も皆幸せになると言うことから、こういうネーミングとしたという。商談をするときなどは、この話だけで場が持ち、ビジネスにつながることも多いとのこと。
 さて、小正醸造の歴史は古く、日置にある島津家の祭神八幡神社のお神酒造りから始まっている。それ以後121年の長い歳月を焼酎一筋にやってきた。
 焼酎の原料、さつまいもはコガネセンガンを使っている。特に、日吉町吉利の生産農家が丹念に育て朝掘りされたコガネセンガンを使用した「朝掘り仕込み」さつま小鶴・小鶴くろという焼酎はお勧めである。商品に使う芋は、朝の4時頃から収穫する。芋は機械掘りのため掘りキズがつきやすく、キズのついたところから腐食しやすい。収穫して1日おいておくとそれだけ腐食が進む。「朝掘り仕込み」は取れたての芋をすぐに工場に運んで加工する。腐食の少ない状態の芋で作る焼酎なので味がいい。食用の場合は収穫後少し置いた方が芋の味がよくなるが、焼酎の原料として使う場合は新鮮な物の方がよりおいしい物ができるのだそうだ。
 「ウインドウズ」という商品がある。現代美人画の第一人者鶴田一郎氏の華麗な美人画で有名な焼酎である。国内外で評判になった超人気商品である。しかしそのネーミングははともかく、ボトル側面に窓を設けそこから美人画絵が見えるようにしていた方法は、フランスの会社が意匠登録をしていたことがわかった。国際展開を謀る上ではこのまま放置できない。結局、ボトルから窓をなくし、ボトルのガラス越しに直接美人画が見えるように変更したそうである。「ウィンドウズ」はこれで生き残れた。相変わらず人気商品である。
 小正醸造の海外展開は、シンガポールのほか,香港、台湾、中国、タイ、イギリス、など7カ国と取り引きがある。売り上げは年々伸びている。可能性のあるところには、今後とも積極的に販路拡大に取り組んでいきたい。今のところ海外取引は麦焼酎が主で,日本食レストランなどに置かれている。しかし、海外展開では業者間の価格競争に巻き込まれないようにする事が大事だ。値段を落としてまでシェアを増やしても利益がでなければ何もならない。
 日本では大変な焼酎がブームだが、蔵としては年間に生産できる本数は決まっている。継続的な顧客サービスの為には、その範囲内で毎月の出荷数を調整せざるを得ない。焼酎業界は10月からが新年度となるため、普通7月末ごろから次年度の出荷計画を立てるが,今年度は10月以降,焼酎が売れすぎている状態で,残りの月は商品を切らさないようにうまく調整しなければならなかった。
 小正醸造では消費者までの焼酎の出荷・販売管理体制を営業所等を通じしっかり確立しているが、業界内では、注文がありとりあえず出荷はしたものの、,どのくらい小売店で売れているのか把握できていない業者もあるようだ。問屋から小売り店に卸した焼酎を消費者が購入してはじめて流通が完了するわけで、流通の状況を見て次の生産計画を立てるなど的確に状況を把握しなければ危険だ。ブームにあおられて、無計画な出荷をすると、問屋でデッドストックになるおそれがある。今はよくても、来年は酒屋に焼酎が売れ残ってどうしようもない状態になっているという事だって考えられる。ブームに左右されるなと業界全体に言いたい。
 また、今の焼酎ブームは、小規模の焼酎業者の商品に仕掛け人がいて、希少価値やプレミアムをつけて、売れやすい状況を作り出している。少数生産の焼酎には付加価値が付き、都会などでは大変人気で高額で取り引きされている。反面大手の有名銘柄は苦戦してきている。
 焼酎は嗜好品ゆえに、関東あたりの消費者の感覚が鹿児島の人と違うということもさらに売れ行きを難しくしている。

(生産者の顔が見える焼酎「天地水楽」)  

 さて、小正醸造が行っている特別限定頒布会「薩摩の地焼酎」には、県内を中心に9,000人の会員がいる。頒布の期間は10月から12月までの全3回で、毎月3,500円(税別)の会費で、この頒布会でなければ味わうことの出来ない季節限定一番仕込み新酒、かめ壺・樫樽貯蔵のこだわり焼酎や、芋製古酒のほか、おめでたい開運干支ボトルなども選べる頒布会です。次回は是非ご参加下さい。

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