九州との縁
江蘇省中小企業日本代表処 首席代表 塗家飛
今年3月から江蘇省政府の駐日経済貿易の首席代表として、福岡事務所で働きはじめました、塗家飛です。私は、かつて鹿児島県の平成14年度の海外技術研修青年として、鹿児島県貿易協会で研修しておりました。今でも鹿児島での研修生活や綺麗な景色、人のやさしさが心に残っており、本当に懐かしく思います。2003年2月に中国に帰国してからは、江蘇省政府の経済貿易委員会で、対日経済交流の担当者として勤めていました。そして、この春に再度来日して現在の職に就き、これから鹿児島県貿易協会の元研修生として、鹿児島県貿易協会の会員の皆様に中国ビジネスに関しできるかぎり協力していきたいと思っております。
現在、中国は日本にとって第一の貿易相手国であり、中国にとって日本は第三の貿易国です。このように経済分野においてなくてはならない相手であるだけでなく、地域的にも永遠の隣人ですから、両国国民の利益のために経済交流を大切に守らなければならないと思います。江蘇省はGDPと海外貿易の総額が中国各省のなかで第2位ですが、海外からの投資額はトップになっています。九州と江蘇省は両国間で最も近い地域であり、貿易や経済交流の規模をさらに拡大し、またその基盤をより強固なものにしていくことを目指して、江蘇省は福岡から鹿児島までを中心とする九州との交流窓口を開設することになりました。双方の企業やビジネスなどの交流を支援していくため、江蘇省の駐福岡代表処は江蘇省省内のビジネスパートナーを積極的に紹介し、よい情報やサービスなどを提供していきたいと思っております。もし、双方の企業が相手側の市場へ進出したいという場合は、私も精一杯案内します。
例えば、現在鹿児島産の焼酎が中国の一部で人気がありますが、これを販売したい会社がありましたら江蘇省のよい代理商を紹介いたします。また、江蘇省の企業が廃プラや廃棄の電機などを輸入するため、日本のビジネスパートナーを探すことがあります。このような場合には経済交流のかけ橋として、精一杯努力していきたいです。
福岡へはこの春に来たばかりですが、来て間もない頃に福岡地震が発生し、余震もしばらく続き、このような大規模な地震の体験がない私は本当にびっくりしました。江蘇省からは中国へ一時
的に帰国してもよいという指示があり、私はこの時期に帰国すべきか否かも含め、落ち着いて、いろいろなことを考えてみました。私の日本での任期は3年間あります。江蘇省での安定的な仕事や生活から離れ、また両親とも離れ、単身赴任で福岡へ来て代表処を始めた時期は、仕事も生活も研修生の時とは違い、いろいろな手続き等も一人でこなさなければならず、慣れるまでは本当に大変でした。そんな時桜島と一緒に暮らしていらっしゃるたくましい鹿児島の方々のことを思い出し、だんだん元気になってきました。そして、自分が3年という期間の中でできるかぎり中日双方の経済交流の促進のために力を尽くしていこうと思いました。
鹿児島での研修に続き、今回の福岡での駐在の機会を与えられ、私は九州に縁を感じます。会員の皆様、どうかよろしくお願いします。
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