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その21

当協会の理事で,弓場貿易株式会社社長の弓場秋信氏による,すぐに役立つワンポイント貿易アドバイス!

その21

弓場秋信氏鹿児島県貿易協会主催海外ビジネス商談会が、マレーシアとタイで11月開催される。以前このコーナーで貿易商談会参加のメリット及びそれを最大限生かす為の取組・心構えについて述べたので、今回は商談先マレーシアについて書いてみたい。
マレーシアの面積は約33万k㎡と日本の約0.9倍ではあるが、平地が多く耕作面積は日本を凌ぐ。人口約2,500万人の民族別内訳はマレー系65%、中国系26%、インド系8%、その他1%で、異なる言語・宗教が混在する複合民族国家で東南アジアの縮図を見るようである。政治体制は立憲君主制(議会制民主主義)で、1957年イギリスからの独立以後47年間で、現在の首相アブドウラ氏が5代目と政治的混乱もなく安定政権が続いている。4代目首相マハティール氏が提唱した「ルックイースト(東方政策)」は現政権に引き継がれ日本との関係も極めて良好である。経済面では日系企業を始めとする外国資本による電気製品、豊富な原料を活用しての化学製品・木製品そして原油、LNG、パーム油が主な輸出品目である。豊富な天然資源と社会資本の充実したこの国は、一人当たりのGNPも4000ドルと中進国への仲間入りを果たし、「2020年には先進国を」のスローガンの下官民上げて実現に向け燃えている。
今回の商談会に望むにあたり他の東南アジア諸国より勝るであろうと思われるマレーシアの輸入商材を挙げると、まずは先程の輸出品目及びその周辺商品、中でも家庭用電化製品や家具は見るべき商品が多い。水産ではエビ、鰹、小魚、魚粉、くらげ等が面白い。最も統計に表れる商材は既に取引が行なわれているので商売としての妙味に欠ける。醍醐味は余り皆が手を出さない商品を見つけ世に送り出す事で利益が得られることである。マレーシアは治安の悪化で国の信用が揺ぐ、外貨不足から海外送金が危うくなるといった事態に陥った事は無い安心して取引出来る国である。また国民所得の向上や小売業の近代化と日本食の普及は、鹿児島食材を始めとする日本製品の輸出先として大いに期待が持てる。今回の商談会をその第一歩としては如何でしょうか。
最近主婦層で人気の韓国ドラマ「冬のソナタ」の日本での独占放映権を長期間の交渉の末取得に成功した丸田智子さんが「アジアはビジネスが人間関係で動くルールの無い市場。それだけに面白い」と新聞に書いていた。アジアとのビジネスはまずは人間関係の構築から始まる。お互いの価値観の違いを認め尊重することがその一歩となるのでは。
(貿易ニュース鹿児島2004.6月号掲載)

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