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薩摩酒造㈱

  • 薩摩酒造㈱

会員者情報

企業名 薩摩酒造株式会社
所在地 枕崎市立神本町26
電話 0993-72-1231
名前 取締役商事部長 西 一郎 氏

インタビュー(貿易ニュース鹿児島2003,10月号掲載)

2003.10-mr.nishi

今回は,日本国内はもちろん世界でも,芋焼酎といえば「白波」と言われるほどのブランド力を誇る地元焼酎製造メーカー最大手の薩摩酒造株式会社を訪問いたしました。
 営業最前線で世界を飛び回っていらっしゃる商事部長の西一郎氏にお話をお伺いしました。
 『薩摩酒造では既存の商品に力を入れると共に,新製品の開発にも力を入れています。
 「白波」は最も皆さんによく親しまれている焼酎です。麦焼酎の「神の河」も芳醇さ,飲み易さで人気があり,国内はもとより世界中で愛飲されています。最近は黒麹仕込みの「黒白波」の評判が上がっています。焼酎は黒麹を使うと甘みがでると言われており,この黒麹を使って造ったのが「黒白波」です。
 薩摩酒造では,焼酎製造にあたって,南薩摩の清らかな地下水と薩摩酒造が苗から準備し,契約農家が丹誠込めて育てた芋のみを使用しています。
  焼酎の需要は,国内がだんぜん多く,海外はまだまだですが,販売額の推移で見ると,国内同様,海外での販売も伸びています。
 海外への直接輸出はしていませんが,アメリカ,香港,インドネシア,南アフリカ,ヨーロッパ各国など30カ国に販売代理店があり,商社を通じて輸出しています。積み出しは,主に横浜からです。香港へは,志布志港からコンテナで出荷しています。韓国ソウルへも昨年から出荷を始めましたが,有名ホテルや免税店などに置かれているようです。インドネシア政府とはライセンス契約を結び,インドネシアで出回っている焼酎のほとんどは薩摩酒造の製品です。現在のところ,海外向けの芋焼酎,麦焼酎,そば焼酎の生産量は6万㍑ぐらいです。海外での販売は,国によってそのシステムやライセンスの取り方が違うので,手続きにかなり手間暇要します。
 「白波」をこれからは中国,特に上海周辺の日本人をターゲットに販売していきたいと考えています。「白波」は香港では,既にかなりの知名度を得ていますが,日本人の皆様が海外で「白波」や「神の河」など薩摩酒造の製品を見かけたときに,ホッとしてもらえるような存在にしたいと思っています。
 ところで,焼酎のほかに発泡酒,梅酒などのリキュールの製造免許も持っていて,現在,芋だけで造った「さつま芋ビール(発泡酒)」を製造販売していますが,芋だけで造った芋ビールを製造しているのは,今のところ日本では薩摩酒造だけです。是非多くの人に味わっていただきたいと思っています。』
 最後に,500年もの本格焼酎造りの伝統を継承する南薩の地に,焼酎文化を伝え,創造する資料館として生まれた,薩摩酒造の文化資料館「明治蔵」を見学させていただきました。
 アテンダントの中原 香さんのお話では,ここの一番の売りは,実際の焼酎造りを見ていただけることだそうです。折しも,今はサツマイモの収穫の時期で,焼酎造りの真っ最中でした。もうすぐ,焼酎のアールヌーボーが出来上がりそうです。左党にはたまらないですね。
 明治蔵では,昔ながらの亀壺造りで焼酎を製造しています。100年以上前からの技術が,脈々と受け継がれており,工場内には92個のカメ壺が土中に埋められ,これが壺の温度を管理するのにも,発酵で壺が割れるのを防ぐのにも役立っているそうです。
 焼酎は簡単に言うと,蒸した芋をつぶした後,麹菌と水を加えて発酵させたものを,蒸留すると出来上がるのですが,原材料を米にして発酵させたものをしぼると清酒になり,これを蒸留すると泡盛等米焼酎になります。原料を芋にして蒸留すると芋焼酎,ソバにして蒸留するとソバ焼酎ができるという訳です。
 ちなみに,蒸した4トンのさつまいもからは,2千本の焼酎ができるそうです。つまり1升瓶一本の焼酎は,さつまいも2㎏から造られるということになります。
 ここ明治蔵には,黄金千貫,紫芋,安納芋等品種毎に造った「手づくり焼酎」もあります。皆さんも機会がありましたら,是非ここの明治蔵で「手づくり焼酎」「さつまいもビール」を味わってご覧になったら如何でしょうか。

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